確定申告が始まり1週間が経過しましたが、今回は確定申告に際してご質問の多い医療費控除について、留意すべき点をまとめました。
医療費控除というのは、自分自身や家族のために医療費を支払った場合に、一定の金額の所得控除を受けることができる制度です(所得税だけではなく、住民税も軽減されます)。年末調整では考慮されないので、サラリーマンも確定申告をする必要があります。確定申告と言うと、手続きが面倒と思われる方もいらっしゃいますが、ポイントを押さえれば、意外と簡単に還付を受けることも可能です。
医療費控除の対象となる金額は、次の式で計算した金額です(最高200万円)。
●医療費控除=(実際に支払った医療費の合計額)-(イ)-(ロ)
(イ)保険金などで補填される金額
(ロ)「10万円」と「所得金額の5%」とのいずれか少ない金額
対象となる医療費は、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費です。例えば、平成20年中に医療機関で治療を受け、その支払いが平成21年になった場合は、平成21年分の確定申告で医療費控除を受けることとなります。なお、最近はクレジットカードが使える医療機関も増えていますが、クレジットカードで医療費を支払う場合は、カード会社が代金を銀行口座から「引き落とした日」ではなく、カードの「利用日」が基準になるので、注意が必要です。
上記(イ)の保険金などで補填される金額とは、健康保険などから支給される「高額療養費」「出産育児一時金」や、生命保険などから支払いを受ける「医療保険金」などがこれに該当し、医療費の合計額から差し引く必要があります。他方、欠勤中の給料を補填する目的の「出産手当金」や「傷病手当金」は差し引く必要はありません。
上記(ロ)についてですが、医療費控除は、医療費の支払いが10万円を超えないと受けられないと思っている方もいらっしゃいますが、上の算式からもわかるように、「10万円」と「所得金額の5%」とのいずれか少ない金額ですので、医療費が10万円以下であっても、医療費控除を受けられる場合があります。すなわち、所得金額が200万円よりも少なければ、医療費が10万円以下でも医療費控除を受けられます。例えば、所得金額が100万円の場合、100万円×5%=5万円ですので、医療費が5万円を超えれば、医療費控除を受けられます。ここで注意すべきことは、「所得金額」であって、「収入金額」ではないということです(例えば、給与収入が310万円の場合、所得金額は199万になります)。
医療費控除の対象になる費用であるかどうかは、判断が難しいケースも多いのですが、以下にいくつかの事例を挙げておきます。
<医療費控除の対象となるもの>
・かぜ薬、胃腸薬、頭痛薬
・金歯を使った虫歯の治療費
・治療のためのマッサージ代
・通院のための電車代・バス代
・病状からやむを得ない場合のタクシー代
・海外旅行先で支払った医療費
<医療費控除の対象とならないもの>
・サプリメント、栄養ドリンク
・予防接種の費用
・人間ドックの費用(但し、検査の結果、重大な疾病が発見され、引き続き治療を受ける場合は、その人間ドックの費用も医療費控除の対象となります)
・マイカー通院のガソリン代・駐車場代
・入院中の家族を世話に行く際の交通費
・実家で出産するための帰省費用
(注)上記は一応の目安であり、必ずしもあてはまらない場合もあります。