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民主党の税制

 昨日投開票が行われた衆議院議員総選挙において、民主党が300議席超を獲得、政権交代を確実にしました。民主党政権になることで、税制はどのように変わるのか、今後の税制改正の行方が注目されるところです。
 同党は、「民主党政策集 INDEX2009」の中で、税制に関しては20項目を掲げ、その考え方を示しています。例えば、「中小企業支援税制」については、中小企業の法人税の軽減税率は当分の間11%とする、特殊支配同族会社の役員給与に対する損金不算入措置は廃止するなどとしています。今回は、「民主党政策集 INDEX2009」の中から、中小企業や個人に関係の深い項目を抜粋して紹介します。

 

所得税改革の推進
○相対的に高所得者に有利な所得控除を整理し、税額控除、手当、給付付き税額控除への切り替えを行い、下への格差拡大を食い止める。
○人的控除については、「控除から手当へ」転換を進める。子育てを社会全体で支える観点から、「配偶者控除」、「扶養控除(一般。高校生・大学生等を対象とする特定扶養控除、老人扶養控除は含まない。)」は「子ども手当」へ転換する。また、その際は、年金生活者の負担増とならないよう、年金課税の見直しも行う。
○給与所得控除については、特定支出控除を使いやすい形にするとともに、現在青天井となっている適用所得の上限を設ける等の見直しを行う。

 

年金課税の見直し
○「公的年金等控除」、「老年者控除」は、平成16年度改正以前の状態に戻す。「公的年金等控除」について、65歳以上の方の最低保障額を120万円から140万円に引き上げるとともに、50万円を所得控除する「老年者控除」を復活させる。ただし、適用には所得制限を設ける。

 

住宅ローン減税等
○住宅ローン減税については、いたずらに最大控除可能額を拡大するのではなく、バリアフリー化や省エネなどの社会ニーズの高い分野に対して重点的な負担軽減策を講じる。また、自らの資金で住宅を新改築・購入した場合でも、住宅ローン減税と同程度の負担軽減を受けることができる制度(投資減税)を創設し、団塊世代などの建て替えやリフォームのニーズに応える。
○生損保など民間保険会社の保険料控除については、社会保障制度を補完する遺族・医療・介護・老後(年金)といった保険商品に対応した、新しい保険料控除制度を創設した上で、所得控除限度額を所得税において15万円程度に引き上げる。

 

給付付き税額控除制度の導入
○相対的に高所得者に有利な所得控除を整理し、必要な人に確実に支援ができる給付付き税額控除制度を導入する。
○生活保護などの社会保障制度の見直しと合わせて、
(1)基礎控除に替わり「低所得者に対する生活支援を行う給付付き税額控除」
(2)消費税の逆進性緩和対策として、基礎的な消費支出にかかる消費税相当額を一律に税額控除し、控除しきれない部分については給付をする「給付付き消費税額控除」
(3)就労への動機付けのため、就労時間の伸びに合わせて「給付付き税額控除」の額を増額させ、就労による収入以上に実収入が大きく伸びる形で「就労を促進する給付付き税額控除」
のいずれかの目的若しくはその組み合わせの形で導入することを検討する。ただし、不正還付・不正受給を防ぐためにも所得の正確な把握が必要であり、納税と社会保障給付に共通の番号制度の導入が前提となる。
○税額控除額全額を控除するだけの税額がなく、給付を受けることになる場合は、その給付額はまずは年金や医療等の社会保険料負担分と相殺することを検討する。

 

金融所得課税改革の推進
○本来すべての所得を合算して課税する「総合課税」が望ましいものの、金融資産の流動性等にかんがみ、当分の間は金融所得については分離課税とした上で、損益通算の範囲を拡大することとする。証券税制の軽減税率については、経済金融情勢等にかんがみ当面維持する。

 

消費税改革の推進
○消費税に対する国民の信頼を得るために、その税収を決して財政赤字の穴埋めには使わないということを約束した上で、国民に確実に還元することになる社会保障以外に充てないことを法律上も会計上も明確にする。
○具体的には、現行の税率5%を維持し、税収全額相当分を年金財源に充当する。将来的には、すべての国民に対して一定程度の年金を保障する「最低保障年金」や国民皆保険を担保する「医療費」など、最低限のセーフティネットを確実に提供するための財源とする。
○税率については、社会保障目的税化やその使途である基礎的社会保障制度の抜本的な改革が検討の前提となる。その上で、引き上げ幅や使途を明らかにして国民の審判を受け、具体化する。
○インボイス制度(仕入税額控除の際に税額を明示した請求書等の保存を求める制度)を早急に導入することにより、消費者の負担した消費税が適正に国庫に納税されるようにする。
○逆進性対策のため、将来的には「給付付き消費税額控除」を導入する。これは、家計調査などの客観的な統計に基づき、年間の基礎的な消費支出にかかる消費税相当額を一律に税額控除し、控除しきれない部分については給付をするものである。これにより消費税の公平性を維持し、かつ税率をできるだけ低く抑えながら、最低限の生活にかかる消費税については実質的に免除することができるようになる。

 

法人税改革の推進
○租税特別措置の抜本的な見直しを行うが、これを進めて課税ベースが拡大した際には、企業の国際的な競争力の維持・向上などを勘案しつつ、法人税率を見直していく。
○租税特別措置の見直しにあたっては、研究開発の促進など真に必要な措置については、現在の時限措置から恒久措置へと転換していく。また、温暖化を中心とする環境対策、雇用の維持・拡大、自治体の工夫や努力などによる地域活性化などの重要課題への対応を法人税制の中で図ることも検討する。
○欠損金の繰戻還付制度は凍結を解除する。

 

中小企業支援税制
○中小企業は団塊世代がリタイア時期を迎える中で事業承継に不安を抱えており、これを重点的に支援することによって安定的な活動を支える。
○中小企業に係る法人税の軽減税率は当分の間11%とする。
○「一人オーナー会社(特殊支配同族会社)」の役員給与に対する損金不算入措置は廃止する。

 

相続税・贈与税改革の推進
○相続税については、「富の一部を社会に還元する」考え方に立つ「遺産課税方式」への転換を検討する。
○相続税の課税ベース、税率の見直しについては、わが国社会の安定や活力に不可欠な中堅資産家層の育成に配慮しつつ検討する。税収を社会保障の財源とすることも検討する。
○相続税の課税方式の見直しに合わせて、現役世代への生前贈与による財産の有効活用などの視点を含めて、贈与税のあり方も見直す。


 

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