いわゆる返済猶予法(正式名称は「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」)が、11月30日成立しました。同法は、金融機関に対して、中小企業または住宅ローンの借り手から申し込みがあった場合には、返済猶予など貸付条件の変更にできる限り応じる努力義務を課すものです。当初は、金融機関に対して返済猶予を強制するかのような印象を与え、銀行株が下落するなど市場に不安が広がりましたが、最終的には、貸付条件の変更にできる限り応じる「努力義務」という形に落ち着きました。制度の実効性を高めるために、金融機関に実施状況を開示・報告するよう義務付け、虚偽開示(虚偽報告)には罰則を付与することにしています。
一方で、中小企業の中には、金融機関との関係が悪化して新規融資が困難になることなどを懸念して、制度を利用しないという声もあり、今回の法律が金融の円滑化にどの程度効果があるのかまだ不透明です。
法律の概要は次の通りです。
●金融機関の努力義務
・金融機関は、中小企業者又は住宅ローンの借り手から申込みがあった場合には、できる限り、貸付条件の変更等の適切な措置をとるよう努める。
※対象となる金融機関は、銀行・信金・信組・労金・農協・漁協及びその連合会、農林中金
・金融機関は、申込みがあった場合には、他の金融機関、政府関係金融機関、信用保証協会等との連携を図りつつ、できる限り、貸付条件の変更等の適切な措置等をとるよう努める。
●金融機関自らの取組み
・金融機関に、貸付条件の変更等の措置を適正かつ円滑に行うことができるよう、必要な体制の整備を義務付ける。
・金融機関に、貸付条件の変更等の実施状況及び本法律に基づき整備した体制等を開示するよう義務付ける(虚偽開示には罰則を付与)。
●行政上の対応
・金融機関に、貸付条件の変更等の実施状況を当局に報告するよう義務付ける(虚偽報告には罰則を付与)。
・行政庁は、これを取りまとめ公表する。
●更なる支援措置
・政府は、中小企業者に対する信用保証制度の充実等、必要な措置を講じるものとする。
●その他
・2011年3月までの時限措置とする。